運動展 2007 -棚卸- 企画書

目次

  1. 開催概要
  2. 運動展とは何か
  3. これまでの展示方式
  4. 今回の展示方式
  5. 視聴嗅味触室
  6. 運動展のこれまで
  7. レクチャーのレジュメ

更新履歴

開催概要

日程
2007年9月28日(金)・29日(土)・30日(日)の3日間
時間
13:00 起床、開場。
24:00 閉場、就寝。
場所
[studio]
大阪市中央区西本町4-4-6 大野ビル2階 (「ESPACE 446」2階])
studioの地図
交通手段

運動展とは何か

最近よく使っている、わかりにくいが本質的な説明

思念を美術に造形せず普通の言葉による「説明」でもって作品と称する方法。

応募時の説明

個人が抱える

視点、意見、実験、発想、着想、妄想、

工夫、方法、計画、戦略、行為、作品などなどを、

ふつうのことばで、そのまま「説明」したもの

最初の運動展「運動展'04」における「準備運動」による説明

……

展示されているものは何か。それは、ただの説明です。何が説明されているか。特に脈絡はありません。日々の生活のうち思いついた、何かです。具体性はなく、オリジナリティもありません。

……

これまでの展示方式

展示方式の変遷

運動展'04
B4パネルに説明文を貼り付け、紙コップの台座で床に設置
運動展'07
パネルを白壁に展示
運動展'007
99円のTシャツに説明文をアイロンプリント、余ったハンバーに掛けて、拾ったラックに吊るす
ここ以外は素敵ですぜ
封筒の中に説明文及び、資料を入れて、壁面に展示。

問題点

たかが説明文を、まんま展示する運動展だが、それでも多少の問題は伴う。費用と手間と、場所。

作品は簡単に作れても。例えばパネルは意外と高い。「運動展'07」で使用した、普通のキャプションに使うような糊付きパネルは、300円くらいする。そうなると、30作品でも1万円くらいかかるわけで、普通、美術の展示に経費が1万円って格安だけれども、ちょっとヤダ。自ずと作品を絞らねばならなくなる。

やや奇を衒ったように見える「運動展'007」だが、シャツが100円に、アイロンプリント用紙が100円と、パネルより安い。

でも、アイロンプリントは大変。アイロンプリントって、何を隠そう、アイロンを使うんです。熱い重い電気がいる場所がいる。スタンダードなパネルもパネルで大変。キンコーズで大判出力(貼りミスを考えて2枚ずつ)、裏紙剥がして(ゴミだらけ)、位置を合わせて、サイズが丁度ではないので余った分を裁断して(ゴミだらけ)……26枚だけでも夜を徹しての作業。

別に紙を直接テープでくっつけるだけでもいい。いや、本来はそうあるべきで、そうしようと何度も思った。でも、やっぱり貧相過ぎるか……と思いとどまることになる。

しかし、一番の問題は「場所」かもしれない。パネルでも紙片でも、それを如何に配置するべきか、というのは難しい。「運動展'007」では、目線上に直線、と一番簡単な方針にした。でも、手間と関連して、それすら僕には面倒だ。

「運動展'007」のラックにまとめて吊るしたTシャツで初めて「見開き」展示をやめて、来場者が任意に「開き見」しなければ読めない、「格納タイプ」の方式を採った。来場者に手間をかけるのは申し訳ないけれど、まあ立たせて歩かせるのも手間と言えば手間だし、作品を読むこと自体、いやそれ以前に来場する時点で、手間過ぎるのでそれくらいは勘弁してもらいましょう。

でも、見開いていない「運動展'007」では、ラックに吊るしたTシャツ群を眺めて、文章を読まずそのまま帰った人が、それなりにいた。わざわざ展示を見に来て、特に疑問を抱かずにそのまま帰れてしまうのは如何なものか。「このTシャツ吊るしたののどこが面白いねん!」と怒ったりするならともかく。

そんな人たちのために、見開いた空間を用意するのは馬鹿げている。いちいち見せてやらなくちゃ、見ることもできないのか。美術鑑賞が、ごろ寝テレビ(笑い声の効果音と、過剰なテロップ付き)と変わらない。そう考えていくと、「開き見」が面倒ではない限りは、あらゆる利便性を考え、格納するタイプの展示で良い、と考えた。

ただし、この調子で行くと……。言葉の究極且つ普遍的な格納方式である「本」でいいやないかと。情報の究極且つ普遍的な格納方式である「ウェブ」でいいやないかと。展示、更には美術、の文脈から離れていってしまう。

僕は敢えて、運動展を、そこまで格納してしまうのではなく、物(としての価値はないけれど)の展示、としてきた。何故、本やウェブでは駄目なのか。それは、ただの雰囲気作り、のためでしかないのか。本屋には、数多の面白い本が並んでいる。ウェブに至っては「面白い話」と検索すれば本当に面白い話が出てくるような世界だ。そうした中で、作品を提示するのは、あまりに疲れる話だが、だからといって、そこを避けるのは、ただの逃げでしかないのか。

たかが雰囲気、されど雰囲気。雰囲気は、当然重要です。ただ、それを、ある種の制限でもって醸しだそうとする態度は、果たしてどうなのかな、と。これに対する答は、まだ持っていない。いや、あるけど、まだ言語化できない。運動展云々の話ではなく、メディアとは何かとかになってくる。それも総論でなく各論。考えるだけで眠くなってしまうぜ。

今回の展示方式

基本的な設営

運動便

ただ、展示していた作品を郵送するだけでなく、以下のようなプラスアルファがある。

追記と追加、追想

特長、或いは延長

作者の所作

視聴嗅味触覚室

概要

これまで展示空間として使用されてきた場所を「視聴嗅味触覚室」と称して、展示空間と切り離し、公開レクチャー他、各種の関連/独立の催事を行う場とする。

予定

24日(月祝)

15:00-
レクチャーしなくちゃvol.4「『物語』の居場所」 真弓創氏(有限会社ブリューナク代表取締役、ライター)

28日(金)

18:00-
オープニング「運動展でうどんを食べる」
19:00-
レクチャーしなくちゃvol.5「{完全/運動/普通}ノ芸術」 山本握微

29日(土)

15:00-
天野天街氏演出舞台映像、上映。
18:00-
吉原治良賞記念アートプロジェクト主催公開レクチャー「方法の芳香」 天野天街氏(少年王者舘)

30日(日)

15:00-
レクチャーしなくちゃvol.6「桃から生まれた「ももやまぶんこ」−児童図書館の意義と方法−」 中谷邦子氏(ももやまぶんこを支える会代表),根岸伴子氏(元ももやまぶんこ司書)
18:00-
運動会
20:00-
吉原治良賞記念アートプロジェクト・クロージングイベント

運動展のこれまで

ちんたらちんたら

吉原以前

1998年-2000年
毎年の堺東高校文化祭にて「机上文芸」を公開展示。運動展の原型。
2001年
大阪芸術大学学園祭にて「計画芸術」を出品
2003年
グループ展「ステキルーム」にて「せりふの冒険」を出品
2004年
初の「運動展」。於ポコペン。
2005年
子供巨人公演「たらいまわしのドンキホーテ」舞台の「金盥町」にて、開場時間中、トランクケースひとつ分の運動展を開催。「運動展於金盥町」

吉原以降

2006年
大阪造形センターにて奥村明男の展示を見る。その際、吉原の公募フライヤーを発見。応募。入選。
2007年1月
入選展「運動展 '07」
6月
「運動展 '007」
7月
「ここ以外は素敵ですぜ」
レクチャーしなくちゃvol.1「普通芸術家『池上宣久』」
「アーティストの夏休み」に「生読書感想文」を出品。
レクチャーしなくちゃvol.2「思い出すことに他ならない」
8月23日
山本握微を改め、ら。
8月29日
レクチャーしなくちゃvol.3「を、も、作品とする」
9月2日
ら、改め、異常人ら。

レクチャーしなくちゃvol.5

「{ 完全 / 運動 / 普通 }ノ 芸術」のレジュメ

流れ

  1. 前置
    • 「ドキュメンタリー」みたいに、眺めてれば概論がわかるコンテンツがあればいいんだけれど。それ作るのは大変だから、レクチャーにしておく。
  2. 眺めて見える、各種の芸術論
    • 美術論、高尚論
    • 技術論
    • 余暇論、排出論
    • 伝達論
    • 宣言論
  3. 「良い芸術」の定義ではなく
  4. むかし言ったギャグ
    • アートとは、アッと驚く斬新さ、アーとうなずく普及性、アトにも残る圧倒感
  5. 現実芸術論
    • 万引き現場を目撃して
    • 料理のたとえ話
  6. 完全芸術論
    • 芸術とは何か、ではなく、何処から何処までを芸術とするか
    • 「額縁」の拡大過程。括弧の冒険
  7. 運動芸術論
    • 運動的快楽とは何か
    • 芸術は、ぜんぶ、ダンスかもしんない
  8. 普通芸術論
    • 現実あってこその芸術なので、現実がないと駄目。作り出す世界が、日常とは無関係なものであっても、それもまた日常から生まれたものには違いない。
    • 芸術は、誰のためにあるか。
    • 運動展