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業務日報

7月1日(水)

今日は会社で、年に一度、大規模な異動の告示があった。僕は動かなかった、幸か不幸かわからないが。

異動、という概念も、なかなか奇妙だ。一週間程度の引継ぎで、コンピューターの前で金勘定をしていたものが倉庫で商品の出荷作業を、営業で外回りをしていたものが人事部で交通費の計算と社内報の編集を、東京にいたものが大阪へ引っ越すのだから。そんな不条理劇を、異動の名のもとに、みんな淡々とこなす。合理的に営利を追求する企業がやることには思えないけれど、それが最終的には必要なことなんだろう。定期的に人を入れ替えないと、慣れた人間ばかりじゃ各種の不備が生じる。

それはそれとして、他にもいろいろ不思議な点はある。内示を伴う大掛かりな異動はともかく、基本的には当人にも、辞令の掲示まではかなり厳密に秘密にされていることだ。この解禁日的な雰囲気の盛り上げには、何か意味あるのかな?あるんでしょうけど、それ以上に無意味な盛り上がりを帯びることは確かだ。

が、一番わからなくて、でも一番基本なのは、その根拠というか展望というか、異動の、きちんと人レベルでの、効果。営業のAさんが倉庫に行って、かわりに倉庫のBさんが営業に行って、それで何かがかわるのか。全体の人の数が増減するのは大きいけれど、人レベルに込められた期待って一体何なんだろう。これは、上役ほどわけわからんくなる。組織図の上部で、抽象的な大部署の位置づけが多少変わったところで、何かが変わるんですかねえ、って、今とても普通の下っ端会社員らしいこと考えてるな。面白くないのでもう考えませんが、異動ってほんとヘン。

山本握微 - Yamamoto Akubi - Email : akubi(at)kiwamari.org